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石井 英一
Engineering Geology, 294, p.106369_1 - 106369_12, 2021/12
被引用回数:10 パーセンタイル:70.09(Engineering, Geological)既存の水理力学連成モデルに基づくと、割れ目の透水量係数(T)は、割れ目のラフネス(),初期開口幅(),有効垂直応力、そして岩石の引張強度と関連付けることができ、はせん断膨張により増加し得る。先行研究により、国内外の6つのサイトのボーリング調査によりフローアノマリとして検出された断層帯中の割れ目のTが平均有効応力を岩石の引張強度で除した値(DI)と一様に相関することが示された。このTのDI依存性が同連成モデルに基づく割れ目の開閉現象で説明できれば、これらのTはあるDI条件下でせん断膨張により上昇し得るTの最大値を表すことになる。本研究はこの可能性を検証するため、上記の割れ目のTと岩石の引張強度、および想定されると有効垂直応力から割れ目のを推定した。そしてこのを基に、割れ目の有効垂直応力のみを変化させた場合のTの変化をシミュレートした。その結果、そのTの変化は上記のDI依存性をよく再現した。今回得られた結果は、断層帯の再活動や隆起を想定した場合、どの程度、断層の透水性が上昇し得るかを推定するのに役立つ。
小嶋 智*; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 苅谷 愛彦*; 片山 喜一*; 西尾 学*
Proceedings of 5th International Workshop on Rock Mechanics and Engineering Geology in Volcanic Fields (RMEGV 2021) (Internet), 6 Pages, 2021/09
中部日本で最も活動が活発な火山の一つである焼岳の4.6kmほど北東に位置するきぬがさの池周縁部から採取したハンドオーガーボーリングコア試料からローカルテフラがみつかる。このテフラは、主成分として様々な形状の火山ガラス(マイクロライトを包有するもの、ブロック状、縦溝のあるもの、微小胞のあるもの)から構成され、また、少量の鉱物(石英,斜長石,角閃石,黒雲母,輝石)を含む。また、このテフラ層より10cm下部より回収された植物残骸から得られるC較正年代は、2,331-2,295cal BP(19.2%の確率)もしくは、2,270-2,155cal BP(76.2%の確率)である。本研究では、電子プローブマイクロアナライザを用いて、このテフラ層の火山ガラスのうち、241個について主要元素分析を行った。それらのデータをSiO-KO, SiO-NaO+KO、及びFeO-KO図にプロットした結果、中部日本に分布する主要なテフラの化学組成との差異が認められた。さらに、鉱物組成及び化学組成は、約2,300cal BPとされる焼岳の北北西およそ2kmに広がった中尾火砕流のテフラと一致する。このテフラは北アルプス南部の2,300cal BPのローカルな年代指標として有益である可能性が示唆された。
石井 英一
Engineering Geology, 275, p.105748_1 - 105748_12, 2020/09
被引用回数:8 パーセンタイル:47.48(Engineering, Geological)従来のダブルパッカーシステムを用いて定圧段階注入試験を珪質泥岩中の正断層を対象に実施した。同試験は、注入中の孔内試験区間の軸変位をスライド式パッカー内の圧力と試験区間の圧力を計測することによりモニタリングする新たな方法を適用した。計測された圧力と軸変位、および注入流量レートから試験中の断層の水理開口幅, せん断変位, 垂直コンプライアンス, 垂直応力, せん断靭性および水理学的膨張角が見積もられた。注入により最大で13.349.5mm(推定誤差含む)の大きなせん断変位(正断層センス)を発生させることができ、特徴的なせん断すべりのイベントがあった後、2.810.4mmの残留せん断変位が残された。せん断中のせん断靭性は2.310 8.410 Pa m(推定誤差を考慮)と見積もられ、この値は既往研究から経験的に推定される値と整合的である。残留せん断変位は何らかの水理開口幅の増加を残さなかったので、水理学的膨張角は実質的にゼロであったと推定された。本試験方法は特別な専用装置を必要とせず、地下の亀裂や帯水層の水理力学挙動の調査に有効と考えられる。
望月 陽人; 石井 英一; 宮川 和也; 笹本 広
Engineering Geology, 267, p.105496_1 - 105496_11, 2020/03
被引用回数:4 パーセンタイル:26.06(Engineering, Geological)高レベル放射性廃棄物の地層処分場の建設・操業時には、坑道内の大気が掘削損傷領域(EDZ)に侵入し、坑道周辺の岩盤や地下水が酸化状態に変化することが想定される。坑道掘削が岩盤や地下水の酸化還元状態に与える影響を評価するために、幌延深地層研究センターの調査坑道周辺において酸化還元状態に関する調査を実施した。調査坑道周辺に掘削されたボーリング孔において、地下水のEhは-150mVより低く、酸化の指標となるSO濃度はおおむね1mol L未満であった。ボーリング孔に設けられた区間の50%以上をガスが占め、その組成は主にCHとCOからなり、NとOの割合はわずかであった。坑道から採取されたコア試料を分析した結果、黄鉄鉱の酸化溶解や硫酸カルシウムの沈殿は認められなかった。以上の結果から、今回調査したEDZにおいては酸化の顕著な兆候は認められず、その理由として、地下水圧の低下に伴い脱ガスしたCHやCOが岩盤中の割れ目を占め、大気の侵入が抑制された可能性が示唆された。
丹羽 正和; 島田 耕史; 石丸 恒存; 田中 義浩*
Engineering Geology, 260, p.105235_1 - 105235_15, 2019/10
被引用回数:11 パーセンタイル:54.04(Engineering, Geological)地表付近での最近の断層活動に伴う化学組成変化を特定するため、発達史の異なる2つの断層破砕帯において岩石の鉱物・化学組成分析を行った。その結果、最近活動した断層では、すべり面に沿ってMnOの増加やFeOの減少、Ceの正の異常といった地下から上昇した地下水の酸化に伴う化学組成変化が特徴的に認められる一方、長期にわたり活動していない断層では、酸化に伴う化学組成変化は破砕帯の構造に関係なく、地表からの地下水の既存の割れ目への流入で説明できることが示された。
石井 英一
Engineering Geology, 259, p.105203_1 - 105203_9, 2019/09
被引用回数:2 パーセンタイル:13.81(Engineering, Geological)スメクタイトを含むせん断帯はスメクタイトの独特な物理化学特性により地球科学, 地球工学の様々な分野で重要となっている。同せん断帯は海成粘土質/珪質堆積物中に広く挟在するが、その起源としてテフラ起源と母岩起源のものが考えられ、両者は潜在的にスメクタイト含有量, 拡がり, 形成時期の点で異なる。しかし、その起源を観察により特定することは困難である。本論はその特定手法として、粘土鉱物中のイライトに対するスメクタイト含有量と全岩化学組成のAlO/TiO(wt%/wt%)を用いた手法を提案する。高いスメクタイト含有量はテフラ起源の証拠となり得るが、この値はせん断変形に伴う鉱物学的擾乱/変質により低下することがあり、識別が困難になる。先行研究に基づくと、母岩と異なるAlO/TiOもテフラ起源の証拠となり、その測定誤差もスメクタイトの含有量の誤差と比べれば非常に小さいが、例えそのせん断帯がテフラ起源であっても母岩と同じAlO/TiOを示すことがある。これらの指標を褶曲した北海道の珪質泥岩に適用した結果、両指標を組み合わせることにより、せん断帯の起源をより簡便に、より高精度で特定できることが確認できた。
久保 大樹*; 松田 典大*; 柏谷 公希*; 小池 克明*; 石橋 正祐紀; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; Lanyon, G. W.*
Engineering Geology, 259, p.105163_1 - 105163_15, 2019/09
被引用回数:11 パーセンタイル:54.04(Engineering, Geological)花崗岩基質部の浸透率は主にマイクロクラックに規制される。本研究は土岐花崗岩を対象に、基質部の浸透率を支配する要因の特定を目指して、ボーリングコア試料の浸透率を、窒素ガス圧入式パーミアメータを用いて測定した。その結果、浸透率は断層帯や割れ目の多い場所で高く、弾性波速度と明瞭な相関が認められた。また、浸透率の特徴は、試料のマンガン/鉄比によって2つのグループに区分できることから、岩相が浸透率を規制する要因の一つであることが分かった。さらに、浸透率はケイ素と負の相関、カルシウムと正の相関があり、ケイ酸塩鉱物の溶解や炭酸塩鉱物の沈殿が浸透率に影響を及ぼしていることが明らかになった。このことから、断層活動に加えて、熱水活動が浸透率を規制する要因であると考えられた。
石井 英一; 古澤 明*
Engineering Geology, 228, p.158 - 166, 2017/10
被引用回数:6 パーセンタイル:30.93(Engineering, Geological)幌延深地層研究センターの地下施設に出現した粘土質せん断帯に含まれる粘土物質の顕微鏡観察を行った結果、粘土物質にはメルトインクルージョン(MI)が多く含まれていることが分かり、それらの化学組成を分析すると、全てのMIが同一の組成を持つことが分かった。さらに、センター周辺のボーリングコアに認められる粘土質せん断帯を調べた結果、これと同一の組成を示すMIが他にも複数箇所で検出され、これらの粘土質せん断帯はセンター周辺に分布する既知の火山灰層面とほぼ一定の比高を保ちながら(同火山灰層の350m下方)、数キロメートルにわたって分布することが分かった。これらのことから、このMIを含む粘土物質は火山ガラスが変質したものであり、この粘土物質を多量に含むせん断帯(粘土質せん断帯)は泥岩が破砕・変質して形成されたのではなく、泥岩中に挟在する火山灰層が変質・変形して形成されたものであることが分かった。
石井 英一
Engineering Geology, 221, p.124 - 132, 2017/04
被引用回数:14 パーセンタイル:56.09(Engineering, Geological)断層帯に関する既往の水理力学的研究によると、引張性/ハイブリッド性のダメージゾーン亀裂を伴わない断層帯は非常に脆性的な様式での断層運動を経験していない可能性が高く、断層帯中の亀裂の潜在的な最大透水量係数は10m/s以下である可能性が高いことが想定される。本研究はこの想定を検証するために、断層帯中のダメージゾーン亀裂の破壊モード(引張性/ハイブリッド性/せん断性)と断層帯中の亀裂の最大透水量係数の関係を、幌延の珪質泥岩中のボーリング孔データ(コア観察結果と流体電気伝導度検層結果)から検討した。引張性/ハイブリッド性のダメージゾーン亀裂を伴わない断層帯の96%(35/36)は流体電気伝導度検層によって断層帯中に検出されるフローアノマリーの透水量係数は10m/s以下であった。この結果は先述の想定を支持する。
丹羽 正和; 島田 耕史; 青木 和弘; 石丸 恒存
Engineering Geology, 210, p.180 - 196, 2016/08
被引用回数:11 パーセンタイル:50.13(Engineering, Geological)断層ガウジの活動性の評価に資するため、ガウジの粒径分析と、電子顕微鏡(SEMおよびTEM)を用いた微小粒子の観察を行った。ガウジの粒径分布は、大局的には繰り返し活動している活断層のガウジの方が細粒粒子の割合が増加する。石英粒子のSEM観察では、活断層のガウジの方が新鮮な結晶面を残す粒子が多く見られた。一方、ガウジ中の粘土鉱物のTEM観察では、活断層ガウジの粒子の方が摩耗または溶食により円摩されている傾向がある。このような傾向が生じるのは、繰り返しの断層活動により、相対的に弱い粘土鉱物が摩耗または溶食の影響を大きく受けるのに対し、花崗岩岩片の破砕、細粒化の進行により新鮮な結晶面を持つ石英粒子がガウジに多く供給されたためと考えられる。
石橋 正祐紀; 吉田 英一*; 笹尾 英嗣; 湯口 貴史*
Engineering Geology, 208, p.114 - 127, 2016/06
被引用回数:29 パーセンタイル:77.45(Engineering, Geological)断層周辺に発達するダメージゾーンは、選択的な物質移動経路となりうることから、これらの水理学的な特長およびその長期変遷を把握することは重要である。そこで、本研究では瑞浪超深地層研究所の深度300mおよび500mにおける調査結果に基づき、ダメージゾーン中の透水性割れ目の特徴とその長期変遷について検討を行った。ボーリング調査や坑道壁面観察の結果から、断層周辺岩盤は3つのステージを経て現在に至ると考えられ、それぞれのステージでダメージゾーン中の透水性割れ目の透水性が変化していたと考えられる。1stステージは初生的な割れ目が形成されるステージ、2ndステージは断層運動に伴いダメージゾーンが形成されるステージ(透水性が増加)、3rdステージは割れ目充填鉱物が形成され、ダメージゾーン内の割れ目が充填または閉塞されるステージ(透水性の低下)である。3rdステージでは、割れ目内に未固結の充填物も形成され、これがダメージゾーン中の透水性割れ目の透水性をより低下された可能性がある。以上より、日本のような変動帯において、断層影響を評価する上では断層の発達ステージを考慮して検討することが重要である。
笹尾 英嗣; 湯口 貴史*; 伊藤 康人*; 井上 貴至*; 石橋 正祐紀
Proceedings of 10th Asian Regional Conference of International Association for Engineering Geology and the Environment (IAEG ARS 2015) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2015/09
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、割れ目ネットワークの理解は物質移動特性を評価する上で重要な課題である。本報告では、土岐花崗岩を事例として、割れ目の不均一な分布の成因を検討した。土岐花崗岩では、浅部に低角度および高角度傾斜の割れ目の多い部分があるが、深部では割れ目の数は減少し、高角度傾斜割れ目が卓越する。また、高角度傾斜割れ目の密度分布は不均一である。熱年代学および古地磁気学的研究からは花崗岩形成初期には冷却速度が速く、地磁気方位がばらつくことが明らかになった。これらのことから、花崗岩は急速冷却期に不均一に歪が分布し、その結果として脆性領域に達した際に歪分布に基づいて、不均一に割れ目が形成されたと考えられる。このことから、割れ目ネットワークの理解には、花崗岩冷却過程の理解が必要である。
石井 英一; 橋本 祐太; 稲垣 大介*
Proceedings of 10th Asian Regional Conference of International Association for Engineering Geology and the Environment (IAEG ARS 2015) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2015/09
本報告は粘土優位なガウジを伴うプレグラウト済の断層帯から生じた坑道掘削中の湧水について述べる。幾つかの観察事実に基づくと、ガウジが坑道掘削中にロックボルトや吹付コンクリートとガウジ部の境界部からトンネル内に洗い流されたことが示唆される。その結果、ガウジ内に生じたパイピングもしくは侵食によってプレグラウト範囲外から坑道内への地下水の流れが促進された。ある壁面の一次吹付を行った後、吹付コンクリートを突き破ってガウジ部に新たに形成された水みちから顕著な湧水が発生した。粘土優位なガウジを伴う断層帯をプレグラウトする際は、ガウジ自身はその低空隙率ゆえにセメントされないので、坑道掘削中のガウジの洗い出しに十分注意する必要がある。
湯口 貴史; 田上 雅彦*; 鶴田 忠彦; 西山 忠男*
Engineering Geology, 149-150, p.35 - 46, 2012/11
被引用回数:10 パーセンタイル:41.75(Engineering, Geological)本紙は、中部日本に位置する土岐花崗岩体の割れ目頻度の空間分布を示し、それと岩体中の冷却挙動との関連について評価を行った。19本のボーリング孔のBTV情報から、割れ目頻度の空間分布は2つの傾向を示す。1つは花崗岩体の中心部分で高い頻度を持ち、もう1つは標高が下がるにつれ頻度が減少する。サブソリダス反応組織の発達の程度は、花崗岩体の冷却過程の指標となるパラメータである。隣り合う2つの位置で測定したサブソリダス組織の発達程度の差を、この2点間の距離で割った値を、局所冷却速度と定義する。土岐花崗岩体中のこの局所冷却速度の分布を明らかにしたところ、割れ目頻度の高い領域で大きな局所冷却速度を持つという相関が認められる。この相関は、割れ目の発生が熱歪という概念を通じ局所冷却速度によって説明できることを示す。ゆえに、花崗岩体中の局所冷却速度の3次元パターンを明らかにすることは、割れ目頻度分布を評価する有用な手法である。
石井 英一; 真田 祐幸; 岩月 輝希; 杉田 裕; 操上 広志
Engineering Geology, 122, p.215 - 221, 2011/09
被引用回数:44 パーセンタイル:83.85(Engineering, Geological)塊状の珪質泥岩(オパールCTゾーン)の珪藻質泥岩(オパールAゾーン)との境界付近に、高い一軸圧縮強度を示す部分が認められた。その硬質部に関して、全化学組成はとりわけシリカの付加的なセメント作用や鉱物組成の違いを示さない。一方、硬質部はオパールAとオパールCTが共存する遷移帯に対応している。電子顕微鏡(SEM画像)は、遷移帯において、珪藻から構成される既存の骨格の空隙に微細なオパールCTが沈殿していることを示す。一方、遷移帯の下位では、そのような骨格は珪藻よりも細粒で球状なオパールCTの集積によって再構築されていることを示す。おそらく、硬質部はオパールAとオパールCTの共存によってより強固な骨格/セメント硬化がもたらされたことにより形成されたものと考えられる。遷移帯は一般的に強固に、そして脆性的になりやすく、岩石が変形を受けている場合は、地下水流動に対して大きな影響力を持ちえる。
丹羽 正和; 黒澤 英樹; 石丸 恒存
Engineering Geology, 119(1-2), p.31 - 50, 2011/04
被引用回数:8 パーセンタイル:42.16(Engineering, Geological)断層活動に伴う破砕帯の形成は、周辺岩盤の物性や水理特性に変化を及ぼすことが考えられる。したがって、地層処分の観点からは、破砕帯の水理特性や力学特性にかかわる科学的知見は処分施設と活断層との離間距離を考えるうえで重要となる。本研究では、破砕帯の発達過程や性状を明らかにするため、岐阜県の跡津川断層を事例対象とし、断層周辺地域の破砕帯の分布,断層ガウジの幅などを調査するとともに、断層トレースからの距離ごとにその特徴を明らかにした。その結果、跡津川断層近傍(断層トレースから両側500mの範囲内)に幅2m以上の破砕帯が集中していること、及びより新しい断層活動に伴う破砕帯の発達は、古い破砕帯に沿って起こる傾向があること等が明らかとなった。
澤田 淳; 内田 雅大; 下茂 道人*; 山本 肇*; Takahara, H.*; Doe, T. W.*
Engineering Geology, 56(1-2), p.75 - 96, 2002/00
被引用回数:17 パーセンタイル:42.55(Engineering, Geological)花崗岩に代表される亀裂性岩盤における物質移行は、岩盤中に存在する割れ目(亀裂)に支配される。そのため、釜石原位置試験場において、透水に寄与する亀裂の水理学的・地質学的な調査により、数10mスケールを対象とした試験エリアの水理地質構造を明らかにした。また、抽出された透水性割れ目を対象に非吸着性トレーサー試験を繰り返し行い、その結果を解析することで、物質移行に寄与する開口幅=110√T(T:透水量係数)に分布すること、ならびに分散長=1/101(1:移行距離)にほぼそうことが示された。
Metcalf; 天野 健治; 濱 克宏; 吉田 英一; 岩月 輝希
Quarterly Journal of Engineering Geology and Hydrogeology, (35), p.189 - 201, 2002/00
地質断層が地下深部での地下水流動に果たす役割を把握するために、東濃鉱山周辺において認められる月吉断層を例として、地質学的調査、岩石学的調査、鉱物学的調査を行った。その結果、堆積岩中の断層破砕帯は4m20mの幅を有することと、月吉断層の上盤と下盤では異なる水理学的特性を有することが示された。
佐藤 稔紀; 菊地 正; 杉原 弘造
Engineering Geology, 56(1-2), p.97 - 108, 2000/00
被引用回数:104 パーセンタイル:90.32(Engineering, Geological)掘削工法の違いが周辺岩盤に与える影響の相違を把握するために、機械(ブームヘッダー)工法により掘削影響試験を実施した。掘削前・中・後に、地質調査、地球物理学的調査、力学的調査および水理学的調査を行い、掘削影響領域の範囲と物性を把握した。さらに、発破による掘削影響試験の結果と比較し、掘削影響領域の工法依存性を把握した。
見掛 信一郎; 吉田 英一; 小出 馨; 前川 恵輔; 尾方 伸久; 柳沢 孝一
Engineering Geology, 56(2), p.185 - 195, 2000/00
岩盤の透水係数の空間分布、特に地下水の流動経路となり得る連続した高透水性部は地下水流動を規制する要因となるため、対象領域の透水係数の分布を把握することは重要である。透水係数の空間分布は、試錐孔を利用した原位置透水試験結果をもとに、離散した測定点を補完する方法を用いて推定できる。本報告では、岩盤の透水係数分布の不均質性を表現できる補完法について、複数の方法により透水係数分布を推定した。その結果、透水係数の空間分布の推定方法のうち、フラクタル理論を用いた方法が堆積岩中の水理学的な不均質性を表現するのに有効であった。また、推定した透水係数分布を用いてウランの移行のシミュレーションを行い手法の妥当性を確認した。